今、この映画をもう一度見ておこうと思い鑑賞。
自分はさほど世界情勢に詳しいわけではないけど、アメリカ大統領選はやはり注目していたことを覚えています。
マイケル・ムーア監督はトランプ大統領の誕生に警鐘を鳴らしながらも、トランプ大統領誕生を予見していました。
自分は完全にヒラリーが勝利すると思っていましたね。
ヒラリーの敗因の一つに五大湖周辺のペンシルヴェニア、オハイオ、ミシガン、ウィスコンシンなどからなる「ラスト・ベルト」(錆びついた工業地帯)での選挙活動に積極的ではなかったことがあると言われています。
予備選でサンダースは、ウォール街の金融業者からの献金を受けていたヒラリーを批判していましたが、政策が行き過ぎた候補を阻止する民主党の制度によりヒラリーに候補者争いで敗れてしまったそうです。
失望したサンダース支持者が大統領選に興味を失ったことと、共和党がトランプを候補に選んだことに多くの国民が拒否反応を示し、2016年の大統領選の投票率は史上最低になってしまったそうです。
トランプはサンダースのように共和党の政治家たちを批判する一方で労働者たちを救済すると言って支持を集めました。
また、クリスチャンの多い「バイブル・ベルト」には、世界が混沌とした状況に陥ると「神の見えざる手」によって救われると本当に信じている人が多いそうです。
不況で食えなくなった人々や格差に苦しむ人々は「もうどうにでなれ!神よ、我々を救いたまえ!」という感じでトランプに投票したり、選挙に参加しなかった人が多かったと思われます。
マイケル・ムーアといえば、「ボウリング・フォー・コロンバイン」、「シッコ」などのように、アポなし取材でアメリカの闇を炙り出しながらもどこかユーモラスなスタイルの作風で知られています。
今作はそういったことはあまりしていなかったようですが、こうもあからさまにトランプ政権を批判する根性が素晴らしい。
作品を見て日本とアメリカは違う国だし国民性も違うので比較することそのものが間違いだとも思うのですが、それでもやはり「アメリカは自由の国だなぁ…。」と思います。
日本で安倍政権批判のプロパガンダ映画を誰かが撮影したとしても闇に葬られそうですよね。堤幸彦、てめーが撮ってみろ!
あと、素晴らしいのはアレクサンドリアのように、民主党の内部から政治を変えようとする若手候補者にもスポットを当てていること。そしてトランプ政権とナチス政権をダブらせるという露骨ともいえる主張の打ち出し。
トランプは再選しないと思っていますがこの映画が今一度、影響を与えることを願います。
もうすぐですね…。