MasaichiYaguchi

劇場版 ダーウィンが来た! アフリカ新伝説のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.5
NHK総合テレビで放送開始から12年を経て、人気自然番組を初めて映画化した本作では、3つの動物家族が描かれる。
夫々の家族には主人公がいて、その動物にクローズアップして〝物語〟が展開していく。
その主人公たちとは、百獣の王を目指す若きオスライオン・ウィリアム、片腕を失ったゴリラ・ドド、子どもの為に奮闘する〝シングルマザー〟ライオンのナイラ。
ただでさえ弱肉強食で厳しい自然のアフリカの大地を舞台に、夫々が重いハンデを背負った主人公は「食わなければ食われる」という毎日がサバイバル。
そんな主人公たちを支え、時に然りげ無く救いの手を差し伸べるのが〝家族〟の存在。
主人公の中で特に隻腕のゴリラ・ドドのエピソードは、見ていて胸に温かいものが込み上げる。
ただ厳しいアフリカでは〝他力本願〟だけでは生き抜けない、たとえハンデがあろうとも〝独立独歩〟していかなければならない。
映画は主人公たちの三者三様を時系列で追い掛け、夫々の〝成長のドラマ〟を映し出していく。
この作品はネイチャー・ドキュメンタリーではあるが、動物家族の愛情や絆、そして生き抜く為に逞しくなっていく様子を観ていると、家族とは、生きるとは何かということを見詰め直したくなります。