へちまびと

ジョーカーのへちまびとのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.0
悪のカリスマの映画だとか、いやこれは悪のインフルエンサーだとか、色々レビューを見た後に視聴した。

結果としては「カリスマでもインフルエンサーでもない」というのが素直な感想。

不幸な生い立ちの愚かな男が、街の悪意に傷つけられ、ついには飲み込まれていく。
最初から最後まで社会から小馬鹿にされつつ乗せられてる主人公は、それに気付かないまま前半はコメディアンとして、後半は悪のヒーローとして、勘違いして「そのつもりで」振る舞う痛々しさ。

これは、そういう姿を観客として憐れむ映画……だと受け取った。

筋書きや構造は映画「タクシードライバー」を明確に意識した作りで、アメコミ出身のダークヒーロー映画としては異色作だ。
怪演の光るホアキンフェニックスと、タクシードライバーでは真逆の役だったロバートデニーロの共演も面白い。キツイ話だが見て損のない名作。