日々が塵のように積まれていく。
彼はただ普通の幸せと、人々を楽しませるコメディアンになりたいそれだけ。
しかし、世間はそんな彼を受諾することなく、ことごと彼の心を砕いていく。
狂っているのは自分なのか世間なのかと
自問自答する。
その間も世間は彼の心を砕き切り離していく。
誰も理解してくれない、何も共感してもらえない。
現実の世界で自分の世界を築けない彼は、
自分の内側に世界を創っていく。
他者の価値観を一切受け入れない純粋な自分の世界を。
彼の中で熟されていく憎悪は次第に現実世界へと
可視化されていく。
そして、自身の生い立ちを知った彼は内側にひっそりと創り上げた自己世界と現実世界を完全に重ね合わせ「ジョーカー」を誕生させる。
善でも悪でも、その場所が自分の「居場所」
と認識することができれば、人間は何にでも
なることができる。
誰もがジョーカーを創ることができる。