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ジョーカーのmintrieのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
5.0
ホアキンの鬼気的な佇まいと、ジョーカーという、魅力的すぎるヴィラン脚色に、気持ちがガクガク揺さぶれ過ぎて、我を忘れて鑑賞しました。コメディ・ノンフィクションで名を挙げたトッド・フィリップス監督の、喜劇と悲劇を描く振幅が凄まじい。脚本は、沢山のオマージュがあるのでオリジナリティには欠くけれど、ジョーカーの物語には、功を奏しているように思えた。だって、じわりじわりと、不遇止まないアーサーに気持ちが浸透していく。殺人もテロも、ジョーカーへ変貌する鮮やかさを前には、善悪のブレーキがかからず、共に心が解放されて踊ってしまう。ラストが虚実入り混じっていたとしても、今がハッピー・喜劇ならOKだよ、アーサー。と思ってしまい、劇場を出ても爽快感と笑顔が止まなかった。今この瞬間もあの笑顔や笑い声、セクシーなジョーカーとゴミ溜めのゴッサムに焦がれてしまう。観たら最後。心が戻れないとリアルに感じた。危険・注意勧告が続く本作ですが、だから、尚更、自身で見て、感じて頂きたい傑作です。
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