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ジョーカーのFHTのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.1
まず始めに、この作品を観て思った事を書いてます。
パンフレットで第三者の提示をすり合わせる前に自分が感じた事を発言します。


善が悪に変化するのは、この世の中が不条理だからだ。

これを無くすのには膨大な歴史の筋書きを変えるしかない。

ただ記述を変えるという事で解決することではない。
言わずともそれは隠蔽に過ぎない。

記述を変えるではなく意識を変えることから始めていかなければならない。


そんな事が可能なのか? いや、不可能だろう。

いや、始まる前から諦めていては話にならない。

始める事が大事なのだ。結果を生き急いで求めるより、一つ一つ長い期間を経て成し遂げるものだ。

人は見かけが9割の世の中から、少しでも割合が減っていけば、この世の中は変わるだろう。

生き物には心がある。それは生き物が与えられた美しくもあり醜くもあるものだ。

その心を読み取るまず第一の手段は、平等な目線で話しかける事だ。

その行動で悪に染まり行く人を救えるかもしれない。

悪を除け者にするのはもうよそう。

そう感じ取れる人が、1人でも多く生まれる事を願ってる。

作品について。

この作品、苦しみというものを知らない人ほど全く響かない作品だろう。

それ故にこの作品を観て何も思わなかった人は、もしかしたらジョーカーを誕生させてしまうかもしれない。

極めて危険な作品だ。
だが沢山の人に観て欲しいという気持ちもある。

人間形成が不十分な人が観ると勘違いしてしまいそうだ。
R-指定に異議は持たないが、年齢制限という枠内だけでルールを示すのも今後変えて行って欲しい。
年齢は皆平等に取るものだが、心の形成は人によって様々だ。

この先は作品の内容に触れてるので楽しみにしてる方はここまでにしてジョーカーをお楽しみ下さい!













作品内容について

ジョーカーことアーサーは純粋にお笑いが好きで、将来コメディアンになりたいと思っている。 それは自分はそれに救われているから、自分の様なお笑いで救われている人の為に自分が救おうと思う善でしかない行動だ。

そんなアーサーは脳の障害で、無意識に笑ってしまう事がある。それは病気で発作みたいなものだ。喘息や、チック症みたいなものだ。ただその症状が笑ってるように聞こえてしまい、周りからは突き放されたような目で見られてしまう。
これだけでも相当のストレスだっただろう。

笑いと偽物の笑い(発作)の見分け方。
分かりやすいのが、皆さん風邪をひいた時ひどい咳をする事ありますよね?発作はそんな感じです。
なので偽物の笑いは初めから一定で苦しさも感じ取れます。
目でも読み取れるシーンはあります。それはコメディー番組を見ている時、彼は笑っています。

そんなアーサーは派遣会社で働いている。彼は仕事中、ふざけた若者にからかわれ仕事の邪魔をされる。
そして派遣先の会社からクレームが入る。
もちろんアーサーは真実を語るも、信じてもらえずクビに。

そして同業者のランドルが銃を渡し「これで身を守れ」と託す。 これが思わぬ事態を招くことになる。


銃を手にしたアーサーは少しずつ変化していく。
そして護身用に持ってたのであろう、病院での道化師の仕事の最中に誤って銃を落としてしまう。
それがきっかけでまた仕事を失う。
そしてピエロの格好のまま地下鉄に乗る。
その車両にいた酔っ払い?の男性達が女性をからかう。
そしてその際に緊張のあまり発作が出てしまう。
その発作がやはり笑いに聞こえてしまい歩み寄ってくる若者。耐えかねずアーサーは持ってた銃で男性達を殺してしまう。 その時はまだ自制心というものは少しあっただろう。やってしまったと怯える表情や、バレると思い必至に仲間を追いかけ殺す所から、まだ覚醒はしてないように感じた。

ここから母の手紙でウェインとの関係を知る。
ここでバットマン幼少期の登場!!
この辺はお楽しみゾーンですね。

ただ、母親の愛していた人に虐待をされ、脳に障害を持ったという事実を知り、母親を殺す。この時神経系に異常はなく発作の症状は出ていない。
もうこの時には誰にも止められなく理解できないジョーカーになっていたのだ。

ここからは理解不能な殺しを繰り返します。


良シーン

アーサーがソフィーをストーキングするシーン。ここが意外と長いワンカットでかなり楽しめた。悪に染まりかけて行動するものの、最後に"何やってんだ"と我にかえるアーサーまでを撮った良シーン


名シーン

ラストシーン、貧困層の集団が、逮捕されたアーサーを助け、車のフロントに乗せるシーン。あそこで笑うアーサーの目が完全にダークナイトのヒース・リチャーズ演じるジョーカーの目をしていた。
狂気じみた、そして迷いのない目だ。
そこまで正直にいうとありきたりだなーと思ってた。
原作にもない脚本だし、こういう風に設定したんだと思ったり。作り物だなーと思わされたり。
ただラストのそのシーンで僕の脳がビリビリビリビリ刺激を受け鳥肌が止まらなかった。このシーンは今後歴史に刻まれるだろう。


そしてホアキンの名演技や、役作りに👏
FHT

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