suga37

ジョーカーのsuga37のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.9
“キモい”・”かっこいい”・”怖い”・”凄い”が入り混じった映画。

主人公アーサーは派遣のピエロの仕事でお金を稼ぎながら年老いた母の面倒を見る病気持ち・独り身の男性。世間に笑いを提供しようとするが、その甲斐虚しく冷たい反応、どころか酷い目に遭う一方。そんなピエロが徐々にある変化を遂げていく様が描かれている。

本作はバットマンシリーズに関連する映画だが、”ダークナイト”をちゃんと見ておけば十分満足が行くと思う。

堪らなく好きなのは、なんと言っても主人公のキモさ。本当に気持ち悪い。キモすぎて腹が立つシーンがいくつかある。

ただそのキモさは病気のせいもあるため強く否定できずにいる視聴者をよそに、次第に変わりゆくピエロをただ見せられる。

あれほど気持ちが悪かったアーサーが変貌を遂げた時の姿には何故だか異常なまでのカッコ良さを覚える。

作中は終始どんよりと暗く、また暴力シーンも散々に盛り込まれ、ストーリーの展開に至っては好き嫌いが大きく分かれるような作品ではあるが、こと”ジョーカー”に関してはこれが良いと思った。
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