伊豆のロドリコ

ジョーカーの伊豆のロドリコのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
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困った…話に聞くほどじゃないぞ…

世間で言われている、騒がれてるほど精神的に来るというわけでもなく、面白かった、つまらなかったといった感想が出てくるというわけではない。
ただひたすら「困惑」が頭を支配している。

実際、印象にに残るシーンというのは多い。鬱屈して末法めいたゴッサムシティの雰囲気の表現は、視聴から数週間たった今もありありと思い出すことができる。
それに暗くいやーな感じのするBGMや画面の明るさ(彩度って表現の方が合ってる?)は間違いなくこだわり尽くされて作られたものなのだと思う。それらは間違いなくこの映画の魅力であるだろうし、映画の中に視聴者を引き込むものであろう。

しかし、困ったことに何も感想が出てこない。でも虚無な作品というわけでもない。
生きていれば一度や二度は世間一般の評価と自分の感性がずれているという経験はあると思う。しかし困った。それなら、それなりに「ああ、ここが受けたのだろうな…」という感覚や「これのせいで自分には合わなかったんだろうな…」という点が浮かび上がってくるのだろう。それらがなくとも何かしらの感想は湧いてくるものだ。
それも何もない。困った。

仮にイキった逆張りの精神で「この映画世間でいうほど面白くなかったwwww」と言えたらどれほど楽なのだろう。
上にも述べたように虚無というわけでもない。今も胸の中にあるのは「困惑」の二文字だけである。

この映画には感想が浮かばない困惑に視聴直後から今の今まで悩まされた。感想の感想は浮かぶのだが感想そのものは出てこない。不思議だ。