Yuto

ジョーカーのYutoのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.5
暗いトイレで踊るシーンと、最後日の当たる階段で踊るシーンが美しさすら帯びる…

いくらそれが客観的に見れば猟奇的であっても、笑うという行為は本人にとって救いであると感じさせられた。免疫機能的に笑う者、幸せを噛みしめ笑う者、愛を抱きしめ笑う者、ただ面白くて笑う者、笑いの形は様々だが、自分を抱きしめている感じはどれにも通ずるのかな

JOKERという存在は彼の中から産まれたものに違いないけど、その彼を作っているのは取り巻く世間や環境であって、普通や狂気の基準なんて多数が決めているものに過ぎないのか。正義と悪の基準すら主観的でしかないんだから、究極の自己肯定、自己愛がこの物語のテーマなのかなと。

殺しさえ肯定しかねないのが、この映画の恐ろしいところだが、間違いなく自分の中にもJOKERはいると多くの人が実感したはず。
これぞ悪のカリスマ。

ただ、彼は弱すぎる。自分はバッドマンでありたいと切に願う。
Yuto

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