貝

にっぽん昆虫記の貝のレビュー・感想・評価

にっぽん昆虫記(1963年製作の映画)
4.5
ワイルドすぎる!!めちゃくちゃおもしろかった。。
道徳とかそういった概念、そんな言葉さえ存在しないかのようなある東北の村で育った女たちの物語。一家の長である父の変態性に家族全員が目をつむっていたり、あらゆる場面で虐げられている姿に、やっぱり物凄い時代だと恐怖を感じるほど。また今とはまったく意味合いの異なる生きていく為に身につけざるを得なかった女性達の強さに圧倒される。

肉感や汗の映し方、シルエットだけを捕らえるエロさ、背徳感とワイルドなエネルギーと両方あって、もう意味がわからないざわざわする。

とめ(左幸子)と娘の信子(吉村実子)、本当の親子に見えるくらい顔も佇まいもそっくりで凄い。ある種の諦めにも思える同じ表情をしている彼らから三世代かけても同じことを繰り返してしまう人生の辛さをひしひし感じる。
貝