福田作品の中でも最も「映画」らしいのでは。特筆すべきは、充希さんによる圧倒的キュートコメディエンヌの体現だろう。得意の滑りギャグは鳴りを潜め、アニメっぽい演出に傾倒したのも作品のバランスを保つのに最適と感じた。
カリカチュアされたオタク描写も「外側」から見れば、こんなモンだし“バカにしてる”とは流石に思わなかったな(俺がオタクじゃないのもあるけど)
脇を固める役者さんも、佐藤氏・ムロ氏の御用達演者を除けば割と自然寄りで、アンサンブルも楽しかった。
ただ、ミュージカルシーンは多すぎかな。佳作。
でも正直、オタクだから上手く恋ができない訳じゃなくて、オタクじゃない若者の恋愛と対比させて“恋することに属性は関係ない”普遍的な着地にした方が良かったかなとは思う。恋仲で部屋に来たからと言って、必ずしも大人の関係にならないってのは経験の多い少ない関わらず普通じゃないかね。