ひとりの女優が、アメリカ各地でインタビューした人になりきり、アメリカに根強く蔓延る問題について語るのという作品。映画作品というよりは、舞台作品を録画したイメージのほうが近いからかもしれない。
女優が男性にも女性にもなりきり紡ぐ言葉は下手なスピーチよりもよほど重みがある。
人はアメリカン・ドリームと言って理想に燃えてアメリカをめざすけれど、当のアメリカでは公民権運動以降表面化した問題がずっと解決されずに今に至っている。
キリスト教の有名な言葉に「隣人を自分のように愛しなさい」というものがあり、この映画でも何回か話題にのぼる。
しかしアメリカ人における隣人とは一体誰のことなのか、ときおり映し出される映像で考えさせられる。