鰹よろし

Re:デッドの鰹よろしのネタバレレビュー・内容・結末

Re:デッド(2018年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

 大学教授のエマは、魔女狩りが男性の女性に対する一方的な迫害だとしており、

 地元の観光ガイドのジュリアは、魔女が人間を迫害したから抵抗したのだと言い張り、

 スクープを狙う報道記者のダニエルは、カルト教団の罪無き女性の惨殺だとし、

 刑事は、ダニエルがジュリアの惨殺とエマの失踪に関わっていると見ている。

 男と女、魔女と人間、カルト教団と少女、犯人と被害者…、と1つの事件に対してこれだけの見方が存在する。

 これはそれぞれに根ざしているものがあり、前提とするところ(偏見)があり、皆が皆自身の正義及び利益…いや欲を優先し動いているからである。

 またその中で女性(当事者)2人、男性(部外者)2人の性別及び立場を同じくした者同士の対立。そしてその垣根を越えた共通項が見えてくる。

 刑事の見立てがエマの歴史観に通じており、しかしそれはジュリアという存在によって覆りかねず、ダニエルの茶々によって際立ちも煙に巻かれもするだろう様相は、その時々で変わる尊重されるべきとする価値観…歴史の廻りを示唆している様にも想える。


 人間は人間にとって狼である。人間は自己保存欲の奴隷であり、他者より優れたいがため行動する。

 昨今平等を掲げる運動が何かと盛んであるが、その動機がこの域を出ないものだとしたら…

 そもそもこの是正せんとする格差の存在もこの動機を礎としたものではないのか…

 だとするのならば平等を掲げる者たちは如何様にして平等を実感でき、その弊害として虐げられようとする者たちはそんな迫害に如何にして立ち向かおうとするのか…

 時代の変遷と共にヒトの在り方に対する意識や価値観が変化することで、究極図式(攻防)が反転及び逆転するせめぎ合いが度々起こっている、とするのがこの作品の示唆したいところではなかろうか…

 では、今何がまた起ころうとしているのか・・・
鰹よろし

鰹よろし