EDDIE

家族のレシピのEDDIEのレビュー・感想・評価

家族のレシピ(2017年製作の映画)
3.6
斎藤工の演技力に脱帽!母との思い出を辿り、受け入れられなかった母方の祖母との和解には涙が頬を伝います。

群馬県高崎市にある行列のできるラーメン店を営む父・和男(伊原剛志)。無骨な父親像を覗かせますが、いやぁかっこいいですなぁ。その実家のラーメン屋で叔父の明男(別所哲也)と斎藤工演じる真人の3人で営んでおりますが、何とも濃い親子・親戚ですな。
物語は父・和男の急死から展開していきます。すでにこの世にはいない母。そんな母が残していた一冊のノートの謎と家族のルーツを解明するため、真人は母の故郷シンガポールへ旅立ちます。

真人が愛読していたブログの主・美樹(松田聖子)がシンガポール在住であったことから、まずは彼女を訪ねることに。
冒頭の感想だけ見ると、かなりいいスコアつけると思われるかと思いますが、実はこの松田聖子の演技と出番の多さが物語に変なエッセンスを与えてしまい、ちょっと残念な感覚に陥るんですよね。

斎藤工をはじめとして、基本的に自然体で演じる俳優陣はみなさん素晴らしかったのですが、松田聖子だけ謎に説明口調。なんか無駄に説明しすぎてて、違和感ばかりを感じてしまいます。最後の最後にも、真人がニューオープンしたラーメン屋に足を運んで来られるんですが、ずっと微笑んで見つめ合って終わり。あなた必要ですか?って正直感じてしまいました。
もちろん私はアンチ松田聖子でもなんでもありません。年を取っても相変わらず美人だなとも思います。けど、なんか違うって感じたのは私だけではないはず(私だけだったらすみません)。
日本とシンガポール合作映画ということもあり、有名な彼女を起用したのかもしれませんが…。
あとは苦言がもう一つ。お婆ちゃんとの和解のシーンはかなり感動するし、私泣いたのも事実です。ただですね、なぜこのお婆ちゃんが日本から来た孫を受け入れないのかってその理由が明かされるんですが、その重さを考えると、美味しいラーメン食べさせただけで、そんな恨みにも近い感情解消するわけないでしょう!と。
ラーメンが完成するまでもっと紆余曲折あるかと思いきや、すぐできちゃうし、スープ仕込む場面で真人がまだ味に納得してないのかな?って感じさせる演技だったんですけど、次麺づくりに協力してくれるケイスケさんは「めちゃくちゃうまいじゃん!」と。あれ?そんなに簡単に完成しちゃったの?と肩透かしを食らっちゃいました。

なんやかんや納得しない演出や脚本内容が多かったですが、いい映画だったとは思います。
あと、本作を観たらラーメンとシンガポール料理が食べたくなります。笑
肉骨茶とチリクラブ食べたいなぁ。
EDDIE

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