NEAR FUTURE 近い未来
という見出しから始まる本作。ブラットピット最高演技と名高い本作。池袋の新しい映画館グランドシネマサンシャインIMAXで鑑賞。
全体を通して非常に静かな作品。ブラピ+SFの映画なのでエンタメ志向が強い映画と思って入るときっと肩透かしを喰らう。太陽系という壮大な宇宙を舞台に、真空と静寂のシーンが全編を包む。家族を蔑ろにしても地球外生命体探索に取り憑かれた親父を探す主人公(ブラット・ピット)も静かな、それであって内に秘めた感情を持つ男。このキャラクターが若かれしブラピのヤンチャなイメージとかけ離れた影のある一般的な男性を眈々と演じた様が各所で評価されただろう良設定でまたこの映画の持つ深々としてどこか不気味で広大な宇宙の空気感とリンクして尚一層彼の演技を映えさせた要素になっていた。この映画のジャンルとしてはSFの舞台を借りたロードムービー/ヒューマンドラマとなっている。科学をかじった人なら正直SF映画としては都合のよい設定でそういった所では全く楽しめない。ドラマの性質上やや眈々としたストーリーに観客の飽きを作らぬよう定期的なアクシデントとブラピの主人公属性強めなやや強引なアクシデント解決が逆にメンテーマを観ている側はやや興醒める。宇宙体験の中に古典的ともいえる親子の因縁・確執の和解か決裂かの最後を静かに見届ける分には舞台やテーマ性より崇高な感傷に浸れる映画として新しいSF映画の切り口だったと思う。
やはりSF映画は大きなスクリーンの映画館にかぎると思った次第。
逆に家のTVだと不満の部分が多く残る映画かもなとも思った。