グーフィー

ダウントン・アビーのグーフィーのレビュー・感想・評価

ダウントン・アビー(2019年製作の映画)
3.7
およそ100年前のイギリス、
地方都市にある、架空の町ダウントン・アビーで
繰り広げられる階上の上流社会と、階下の召使たちの群像劇。
ドラマでは、登場人物を丁寧にきっちり描いています。
たくさんの人々が交差するさまが、
イギリスらしい気品と実直さと相まって、
NHKの大河のように長く親しみました。

脚本のジュリアン・フェローズが、
映画でも、つつがなく、ドラマの世界観を再現。
国王陛下ご夫妻のたった一晩のご宿泊という、
この上ない名誉なイベントに、
これまでにない、珍しくドタバタ感も入れ込み、
(モーズリー、グッジョブ!)
優雅な貴族の皆様、働く召使いたちの、それぞれの個性を、
短時間でもれなく表現していたのは、流石でした。
だから、映画には自然と引き込まれました。

格差社会は、有史以来、ずっと存在しています。
現在でもそうだし、血を見ることが多い今日の世界よりは、
「ダウントン・アビー」での秩序ある分断された二つの社会の中で、
それぞれが与えられた使命をもって懸命に生きる、
その姿が美しかったから、好きなのです。

100年前の話なんだけれど、
現在に通じる問題をうま~く提議していて、
女性の相続問題、巨大な資産を維持すること、本来働かない女性貴族が就職すること、格差婚、労働問題、民主運動、同性愛蔑視(=犯罪)など、
今と乖離してないことをアピールするエピソードの連続で。
親近感がわくわけね。

ジュリアンがいれば、また続編も観ることができるかな?
「ザ・クラウン」へ続く”王族物"も、見てみたいですね。
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