クェ虫丸

守護教師のクェ虫丸のレビュー・感想・評価

守護教師(2018年製作の映画)
3.2
マドンソクを求めて映画見るような人はさ、カタルシスのあるクライマックスを求めてると思うんだよね
筋骨隆々の身体に不釣り合いな愛嬌ある顔から放たれる、優しげな顔から想像もできない見た目通りの強烈な暴力で、悪人どもをバッタバッタと薙ぎ倒すみたいなやつ

その求められてるはずのファンタジック暴力パートがほとんどないのがすごいとこだと思うよ、この映画
少なくとも「暴力ではどうにもならない」ものが明確に線引きされてる
ドアとか無名のチンピラぐらいならぶっ飛ばして解決だけど、腐った校長の金は黙って受け取るしかないし汚い金持ちは殴り倒しても無駄

この映画の評価が低めなのって、本来ファンタジック暴力パートでぶっ飛ばされるべき不条理とか不作為とか、そういったものが見事に逃げ切ったのが不満で、それが表出してるのかなとか思ったりしたりしたりしたりした

ゲーセンで狂喜乱舞するコワモテとかいう実にステレオタイプ的なキャラ描写をするような製作者だし、そこら辺も全部自覚的にやってるんだろうな
こんな熱くて不器用な快男児がルサンチマンに付き合ってくれないのは娯楽映画としてマジで期待はずれだからね、明らかに狙って演出してるやつ
現状からの解放を自分以外の何かへ仮託するようなアホに中指突き立てる映画は嫌いじゃないよ

最後にポスターが終わったこととして破り捨てられてるのをため息つきながら見て走り去るのとかドギツイ敗北宣言そのものでしょ
マドンソクというステレオタイプは負けたんですよこの映画
クェ虫丸

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