くじら

復讐のトリックのくじらのネタバレレビュー・内容・結末

復讐のトリック(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

 GYAOで期限が来たので視聴。
 お嬢さんを見た時にも思ったけど、日本語をたくさん使うことでこの時代の日本人が朝鮮に与えた影響が現れているように思う。
 物語の展開は他の方も言ってるようにノーラン監督のプレステージに似てる感じ。(マジシャンだし)そこに時代背景や全体に流れる雰囲気が韓国のサスペンス映画の味で私は割と好き。事件が起きるまでと裁判のシーンが交互に展開していくのも面白い。
 あとこの映画はキム・ジュヒョク氏が亡くなる前最後に公開された映画だそう。

あらすじ
事件シーン
 主人公ソクジンはソウルで困っていた女性ハヨンを助ける。マジシャンのソクジンは自分の得意な3発弾を込めず4発目で撃たれる銃のマジックを披露する。ソクジンは重そうな荷物を持って困っているハヨンを見捨てられず、自分の部屋で暮らすのを勧める。マジックのアシスタントをするようになったハヨンとソクジンは急速に仲良くなり、2人は結婚する。ソクジンはある日ハヨンがどう見ても玄人の女性に何かを渡しているのを目撃し、ハヨンに聞くもはぐらかされる。
 マジックが軌道に乗り始めたソクジンは釜山へ移動するもハヨンは乗り気では無さそうにしていた。そんな中、ソクジンはハヨン宛の手紙に銅板を確認する内容の、日本語で書かれた手紙を読んでしまう。そしてハヨンの重そうな荷物の中身が韓国の偽札用の銅板だったことを知る。部屋に戻ったハヨンに銅板技師だったこと、依頼してきたオカモトという男が叔父を殺したと聞き、ソクジンは銅板を渡して話をつけようと部屋を出てオカモトを探す。すると部屋からハヨンが飛び降りて死亡。ハヨンはソクジンの子どもを妊娠していた。
 復讐に駆られたソクジンはハヨンが話した叔父の事件を捜査していたアベという刑事の元を訪ねる。脅して聞き出そうとするも逆に痛めつけられてしまう。しかしソクジンの目的がオカモトを殺すことだと聞いたアベに、オカモトは日本人ではないこと、詐欺師らしく日本語英語独語も堪能だという情報をもらう。
 ソウルの金持ちが集う場所で別人に変装しタクシーをしながらオカモトを探すソクジン。タクシーに独語のマットを敷きそれが読めるか、高額紙幣を燃やし(偽物は緑に燃える)、確かめる。
 そしてハヨンのことも忘れかけそうになった時についに独語が読める客(オカモト兼ナム)が現れる。すぐにでも男を殺そうと思ったソクジンだが、あっさり死なせないためにナムにお抱え運転手のチェとして雇われることにした。
 お抱え運転手となったチェは盗み見たりしながら情報を集める。チェはある日ナムに電話をオカモトシゲルか?と電話をかける、チェを疑ったナムにより、床の覗き穴がバレる。同時に偽札印刷所の社長を処分しようとしたナムに利用される。チェはナムの協力者の女(以前ハヨンと会っていた)にマジシャンだとバレ、女の元へ行き問いただす。そこで聞いたのはハヨンもまた詐欺師であったことだった。
 社長から銅板は女の元へあると聞いたナムは社長を始末し女の元へ。銅板はない、自分とやり直さないかという女を冷たくあしらい殺す。
 家へ帰り置いてある銅板に気を取られていると背後をチェに取られ銃を突きつけられる。入っていない最初の3発などを利用しながら地下のボイラー室でチェは何とかナムを気絶させる。そこでチェは自分の血や指を見て自分を殺した罪を考えつく。

裁判シーン
 死体がないまま進む裁判。しかしある日決定的な通報者ソクジンが出廷してきた。ソクジンを見て被告人ナムはチェがマジシャンのソクジンだったことを知る。ソクジンの手を疑うナムや弁護人だが、ソクジンは手から先をトリックの練習中の事故で失っていた。それを聞いたナムはあの事件の日のことを話し始める。判決は無期懲役。他の殺人や偽札はまた別に罪に問われるとの判決。事件の担当検事は銅板を持ってそそくさと退出していくソクジンを見る。

結末シーン
 ソクジンは銅板を海に捨て、道化のメイクを落とす。ハヨンの気持ちではなく、自分が彼女を愛していたと言い聞かせながら。
くじら

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