かえるのエリー

アマンダと僕のかえるのエリーのレビュー・感想・評価

アマンダと僕(2018年製作の映画)
3.8
Amazonプライムでオススメに出てきた作品。何の前情報も無しに鑑賞。タイトルから母がどこかで退場するんだとは思ったが、まさかの突然退場に、アマンダ、ダヴィット(僕)だけでなく私も動揺。。。



以下、ネタバレ感想



2018年作品、姉の命を奪った詳細は言葉では語られないが、2015年のパリ同時多発テロをモチーフにしていることは間違いない。本作を観て改めて思うことは、この卑怯な行為は、犠牲者のみならず、そこに関わる全ての人の人生を狂わせるということ。そして罪なきイスラム教の人々が偏見に晒されたことも忘れてはならない。

姪のアマンダを嫌いではないものの、突然、育児せざるおえない状況になったことに中々対応できないデヴィッド。しかも付き合いだした矢先のレナも(作中では語られなかったと思うが、恐らく)テロで右腕を負傷し、完治するかわからない故に別れを告げられ八方塞がり。アマンダの扶養先を色々と検討しつつも、彼女と時間を過ごす中でデヴィッドの心に前向きさが戻っていく様を丁寧に描いている。

アマンダとデヴィッドの母がイギリス人という設定、取ってつけたようなデヴィッドのテニス話などは、正直しっくりきていなかったのだが、これが最後に見事に結びつく。アマンダとデヴィッドの状況をテニスの試合で比喩した様が秀逸だった。

ちなみにデヴィッドを演じた彼はヴァンサン・ラコスト。英語読みならラコステで、ワニのマークで有名なアパレルブランド・ラコステはプロテニスプレイヤーが作った物という事も面白い。