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ジェミニマンのbutasuのレビュー・感想・評価

ジェミニマン(2019年製作の映画)
1.5
完全CGで作られた若ウィル・スミスを見て最新の技術に感心するだけの映画。どうしてこんなにつまらないのだろう。何かが物凄く劣っているわけでもないのに、観ていて非常に退屈。どうやら特殊な映像方式のようで、それ専用の映画館で観ないと魅力が半減するタイプの映画らしい。観ていないので何とも言えないが、ここまで話がつまらないと観る気も起きない。

元殺し屋が組織に狙われて女と逃げる、というベタ過ぎるストーリーだが、そのベタすら上手いこと調理できていない。敵も味方もキャラクターが薄く感情移入しにくいし、目玉のアクションもそこまでいうほど画期的ではない。バイクのところくらい。色々なパターンのウィル・スミス対決を観られるのかと思いきや、あっさり仲間になるので何だか拍子抜け。そもそもクローンが出てくるまでが長い。全体的に話の推進力が非常に弱く、観続けるのがとても辛かった。

そもそも話の根幹である「クローンを作る理由」がどうにも飲み込みづらい。凄腕の殺し屋のクローンが必ず凄腕の殺し屋になるとは限らなくないか。わざわざそんな技術とコストを掛けなくても、たくさんの子供に一斉に殺し屋教育を施した方が早い気がする。効率があまりにも悪い。普通に寝返られているし、もっとしっかり教育というか洗脳をしておかないと。この目的なら感情を持った人間として育てるべきではないと思うのだが。しかもこんな大規模なことをやっているのが、巨大組織とかではなく一人の人間なのだ。アイツを殺したら終わり、というラストのあっけなさにも驚いた。

ちなみに吹替版で鑑賞したのだが、若ウィル・スミスの山寺宏一には正直違和感があった。確かに声優としては上手いが、現ウィル・スミスと比べて全然声が若くなっていないので変な感じ。年齢差を強調する必要があるのだから、もっと若く聞こえる声質の人にやらせるべき。あと菅野美穂は酷かったです。
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