なつ

テルアビブ・オン・ファイアのなつのレビュー・感想・評価

4.3
パレスチナ、イスラエル、どちらにも偏らず、政治のにおいを消し、よくここまで上手く笑いに昇華させたな。
(ロシア映画の“キンザザ”的に少し後ろに隠した部分もある気がする)
監督は、テルアビブ在住のパレスチナ人。
70年に及ぶ占領状態の中、こんな想像力に長けたエンタメを作れる土壌を培えたことが、嬉しかった。最高の気分!
試写会が終り、イスラエルの大手新聞社が“皆、この紛争に興味すらなくなってきている。この問題を忘れない、新たな疑問、物事を考えるきっかけに本作がなって欲しい”と。批評を載せたそうだ。
監督、凄く喜んでいた。
八方塞がりで先が見えない状態が70年続くパレスチナ。
でも、現実に起きていることだから。
“無かったことにしてはいけない”
本国で大ヒットして、世界に本作が波及して欲しい。
一人でも多くの人が興味を持つきっかけになり得る、そんな映画だと思った。
なつ

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