Aika

ホワイト・クロウ 伝説のダンサーのAikaのレビュー・感想・評価

3.9
ソ連伝説のバレエダンサー、ルドルフ・ヌレエフの半生。

はぐれ者、または類稀なる人物という意味を持つ “ホワイト・クロウ”という渾名を付けられた少年時代。
繊細さと大胆不敵さを共に持ち合わせ、自らの才能を飼いならすのに必死かのように燃える瞳。
どんなに周りを敵に回しても自分のアーティスティックな欲望を突き通す。美しくも危険なほどの純粋さ。

現役プリンシパル、オレグ・イヴェンコは今作で映画デビュー。誰といてもどんなときもホワイト・クロウである孤高さを感じさせる見事な演技。顔も似てる!

彼の師匠がレイフ・ファインズに似てるなぁ…でもロシア人だし禿げてるしバレエだし違うよなぁ…と思ってたら、本人だった!それも監督も兼ねてたからびっくり。語り過ぎない演出がとてもよかった。多才だ〜

脇を固める俳優陣も皆よかった。
金髪ポルーニンはなかなか見慣れなかったけど、踊るとポルーニンんんんん…!!となる。やはり別格。
(桃尻サービスショットもあったよ!)

女のしたたかさと男の弱さ。
さりげなく散る恋心と理解を寄せる女心。
過去と現在。東と西。祖国と自由。
伝説という未来を握りしめ開けたドア。
その先にはまたレンブラントの前で内省したような穏やかなときは、あったのだろうか。
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