ふっちゃん

虐待の証明/ミス・ペクのふっちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

虐待の証明/ミス・ペク(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

虐待は世代間継承し、子は親を選べない。

児童相談所は子供を救いたいと謳っているくせに「子供が何もされてないと言っている」「証拠がなければ何もできない」と、未熟な子供の判断を過信し、結局は何もしちゃくれない。

愛情を知らずに育った主人公も、「そばにいる」という自分なりの愛情を注いであげていた。前科持ちはそれだけで信用されてもらえない偏見に塗れた世の中に葛藤している姿が印象的だった。

助けて、たった一言が言えれば解決する物語でも子供は言えない。子供の見る世界は親が全てで、親を裏切ることは自分を裏切ることのように思えてしまうから。

世の中のルールは一見安心できるようなものに見えるが、完璧ではなく穴がある。それを埋めるのが人間の感情なのだろう。人の期待を裏切っても蔑まれても、間違っていると決めつけることは誰にもできない。でも、守りたい人が笑ってくれるのなら、それが答えなのかもしれない。
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