なんとなく『湯を沸かす…』のオマージュっぽくもあり、また第2の『カメ止め』目指してる？雰囲気もあるのだけど、たぶん作られてる皆様はそう言われたくはないのでしょうね。そのくらいオリジナリティがあり、展開も面白かった。
東大卒の和彦が、明らかに自分には松本のような才覚はないと分かっているのに、松本が夜のリーダーと決まった途端にどうでもいいことにライバル心を燃え上がらせたり、普通そんなこと訊かないだろ…的なことをいちいち根掘り葉掘り訊きまくる。そこじゃないだろ！的なピント外れも狙いのうちで、終始そこからブレなかったもの面白い。
ラストシーンに至るまでのことと、ラストシーンとの落差が少し大きい気がして。それまでが血生臭い話なだけに、そこからメッセージへの移行がとても急には感じました。
とは言え、制作への熱い熱い想いは観ている側にも十分に伝わっており、ここまでのものを自分たちで練って作り上げてきた自負が作品を興味深いものに仕上げている。映画を作ることの苦労も楽しみもふんだんに盛り込まれているのを観客も味わえる、その体験を本作で多くの方にしていただきたいかなと思うのです。
