エンバ

レッド・ブレイドのエンバのレビュー・感想・評価

レッド・ブレイド(2018年製作の映画)
3.2
公開初日に新宿にて舞台挨拶つきの上映を鑑賞。
主演の小倉さんをはじめ、メインのくのいち三人のひたむきに闘う姿がとても愛らしく魅力的です。三人が使う武器や技も多彩で、アクションシーンに限って言えば観ていて飽きることはありませんでした。坂口さん、岩永さんの殺陣は流石のパフォーマンスです。ただ、このお二人に比べれば付け焼刃と言わざるを得ない女の子三人とのレベルが違い過ぎて、作品内で浮いてしまっているのが残念。
また、園子温監督は今回、原案のみの参加。舞台挨拶では「これまでの作品のような血生臭さは控えめにして、万人向けのファンタジー作品にしたかった」と仰っていましたが、それが功奏したとは言い難く、設定は雑かつストーリーは退屈に感じました。

「忍者×美少女×アクション」の組み合わせは、日本から世界に発信できるポテンシャルのあるコンテンツだと個人的には信じており、いつかは『チョコレートファイター』級の快作が生まれるのではないか、この作品がその契機になってくれればと期待しておりましたが、同じ映画館で少し前に公開された韓国映画『The Witch 魔女』に比べると、まだまだその領域には達していないというのが正直なところ。予算や撮影期間の問題も大きいのでしょう。
とはいえ、国内で一時期量産されたグラドルの忍装束姿だけが見どころの凡百のくのいちVシネからは間違いなく進化していること、時代劇下火の時代に園子温というビッグネームの下にくのいち映画が作られたことは大きな収穫であり、くのいちファンとして感謝しております。
エンバ

エンバ