本物のT-34を使ったソ連の共産主義プロパガンダ映画。お話はドイツ軍の捕虜となった兵士たちが敵の戦車を奪って逃亡を図るというもの。これが実話だというのだから驚かされる。
まず、『鬼戦車』とつけた邦題がいい。『悪魔のいけにえ』『鮮血の美学』『食人族』『サブウェイパニック』『ふるえて眠れ』『博士の異常な愛情』『復讐するは我にあり』『戦国自衛隊』『吉原炎上』『発狂する唇』などと同じ、声に出して読み上げたい映画タイトルだ。
絞首刑にされる様子を影で映す場面なんかはかなり映画的。実車両での撮影もgood。ソ連の映画だが、T-34に苦しめられたドイツをよく描いており、この題材にして敵将校の描き方なんかは好感をもった。
余談だが、遊戯王には「鬼タンクT-34」という未だにカードイラストに登場する愛されモンスターがいる。地属性、機械属、星４、バニラ、リクルーター対応、奈落に落ちないと、驚異の潜在能力を秘めた一枚だ(大嘘)。フレーバーテキストには「鬼の魂が乗り移った戦車。意思を持ち敵をどこまでも追い詰める」とある。映画の内容とは違い好戦的かつ野蛮な悪魔兵器なのだ。これは強い！
