リリー

第三夫人と髪飾りのリリーのレビュー・感想・評価

第三夫人と髪飾り(2018年製作の映画)
4.0
ベトナム映画のすばらしさを知りました。ベトナムの田園風景などの圧倒的な映像美だけでなく、川のせせらぎ、鳥の鳴き声、風、などの心安らぐ音が、セリフの少ないこの映画をさらに芸術作品らしくしています。官能的なシーンもいくつかあるのですが、登場人物たちの清潔な白い衣装、ベッドリネンなどのお陰で、サラッとした印象です。
一夫多妻制の話なので、夫人たちからの嫉妬と嫌がらせに主人公のメイが悩むドロドロの展開なのかと思いきや、家父長制度のなかで女性同士が支え合い助け合う話でした。皆、自分の人生は自分で決められないことを運命として耐えて受け入れている同志のようだからでしょう。
主人公のメイも可愛らしいのですが、第一夫人と第二夫人の美しいこと!所作も容姿も含めて浮世絵の美人画のようです。
男の子を産まなくては権威ある奥様にはなれないというプレッシャーがあるメイが、最後のシーンで取る行動の結末がとても気になります。
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