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先に愛した人のtokoのネタバレレビュー・内容・結末

先に愛した人(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

愛した夫がゲイで妻と息子を捨てて出て行く。
残された妻と息子の葛藤。

夫が癌で亡くなり、妻は保険金の受取が息子から交際相手に変わってた事にショックを受ける。
自分から家庭を奪い保険金まで奪おうとしている愛人が1番の悪人だと騒ぎたけてる妻。
母親の過剰な干渉と愛情に息苦しさを覚える息子。
愛した人を看取り心が空っぽになった男。

それぞれの抱える悲しみが哀しい。
喚き騒ぎ立てる妻の姿が1番人間らしく分かりやすい。
息子への執着的な干渉で生きる意味を肯定したいんだろうけど、思春期の息子には父親がゲイだった事を隠し口煩く干渉する母親が疎ましいと思うのは当たり前だよね。

この映画では息子の気持ちは深くは描かれて無いけど、自分の父親を奪った愛人の家に押入り住み込んだのは、母親の干渉から逃れ父親の本当の気持ちを確かめる為だと思ってました。
でも、最後に息子が父親の手紙読んでいた事が分かり、父親と愛人の絆を確かめに行ったんだと納得しました。

愛人役のロイ・チウの軽い感じと、少しずつ明かされて行く2人の出会いからの流れが分かりやすくて凄く良かった。
そして、自分の息子がゲイと知った母親の愛にも胸が打たれました。

台湾は日本よりは同性愛に対してオープンだと思うけど、やはり周りからの受け止められ方は色々あるでしょう。
でも同性愛を色んな角度で描いている台湾映画は凄いと思います。

「先に愛した人」
誰が先に誰を愛したのか
そこを考えると、また違った見え方がする映画ですね。
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