きゅうげん

クワイエット・プレイス 破られた沈黙のきゅうげんのレビュー・感想・評価

3.8
むこうの少年野球は、試合ひとつとってもおらが村のイベント感があっていいですね。

続編をつくるにあたり、大局的な展開に関しては「1日目」の内容や生存者(まさかのジャイモン・フンスー)の証言で、その凄惨な片鱗が垣間見えます。
また「ダイブ」の手話や“火&水”要素などのクライマックスには構成の妙を感じますが、一方でその前段階としての各登場人物のとりとめのない行動には、単純に展開としての鈍さ・中弛みを覚えます。
それと長女まわりの場面では、音を立てられない状況だからこその、コミュニケーションや遭遇戦などハンディキャップとかかわるシビアな問題が前ほど鋭くなくてちょっと残念。

パーソナルさに寄り添った人間ドラマが良質だった前作に比べて、今回はホラーとかアクションとか、映画的な要素へより注力した感じ。最後の姉弟ダブル見せ場はなかなか良いですね。
ジョン・クラシンスキーのクリエイターとしての懐の深さを改めて確認できました。
『ファンタスティック・フォー』では作り手としてもリーダーシップを発揮してほしいな!