このレビューはネタバレを含みます
青みがかった映像が少し冷たく、プロフェッショナルなピアノの世界観に合い、美しくもあり、また厳しくも感じられる。
難しい演技と編集が求められる中、手堅いキャスティングでしっかり作品が作り上げられていた、素晴らしかった。唯一、ブルゾンちえみさんの起用は残念。邦画は芸人を起用したがるが、理解に苦しむ。
コミカルな要素の面では、片桐はいりさんで充分だった。無言の演技で、いいスパイスになっていた。
最後に観客を向いて笑顔になる主人公。それまでの青暗かった絵が一転し、光が差し込み明るく照らされ、目を輝かせる様子は、見えていないカメラの後ろ側に広がる、絶え間ない拍手の光景をイメージさせてくれた。雨音の心地よさ。