ともぴ

蜜蜂と遠雷のともぴのネタバレレビュー・内容・結末

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

原作未読です。

映画館で観る良さがある映画だった。

冒頭のノイズとも重厚音とも聞こえる低音のプロローグから入り、遠雷、最終的に喝采の地響きに繋げる物語の繋ぎは鳥肌が立ち、興奮しました!この低音は映画館で観るからこそ聞ける音ですね!

音楽に疎い私でも、やっぱりピアノ伴奏の違和感は感じてしまった。演奏「音」と俳優陣の伴奏「演技」のズレはどうしても出てしまうけど、でもよくここまで再現した!違和感はあるが感動しました!本当に俳優陣の意気込みが素晴らしかった!これはドキュメンタリーではなく映画なので、合わせる事以上に、演奏をキャラクターに繋げるかが重要で、その大役をどの俳優さん方も体現して下さっていた!凄いことだと思います。

特に感銘を受けたのが、母子のピアノ。
「あなたが世界を鳴らすのよ」とささやいた一言、めちゃくちゃ心に響いた!
母子の楽しい時間と、母を失ってからの逃亡の公演を演じ分けた子役の方、本当に素晴らしいの一言でした。

「自然の音」と「音楽」を繋げるのに雨だれのプレリュードが使われていませんでしたっけ?うわぁ、曲として適材適所…と思いました。(違ってたらごめんなさい)

音楽を楽しむ為の演出、俳優陣の労力、長編の話を2時間にまとめる工夫(原作未読なので想像ですが)、どれも本当に長けていました。
個人的には英語がみんな上手かったのがよかった!国境を超えたコンクールという事が現実味を帯びた。
また、ピアノ伴奏も素晴らしい演奏でした。映画館の音響で聞けたのは本当に良かった!ピアニストの方々には、制作に協力してくださった事へ感謝申し上げたい。
ピアニストの皆さんも演奏で感情表現・キャラクター表現をする演技派でした!

でもちょっと気になったのは審査員の人達の所作だなぁ…。内容を割愛しようとするとここしかなかったんだろうけど、彼女らの態度がこのコンクールの品位を落としてしまっていたのは残念だった…。

でも、また観たいなって思う映画に出会えたのは嬉しいです!

ただの音楽映画だけだと思ってたら、爽快な青春映画だった!
楽しかった!わくわくした!音楽って素敵だなって思えた!どんな天才でも1人の人間としての悲しみや憤り、喜びがあるって伝わってきた!
ありがとうございました。
ともぴ

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