茸のうち

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密の茸のうちのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

いやたまらん!!いかにもアガサ・クリスティっぽいクラシカルな王道ミステリーなのに、モダンに調和されてた。施す側の立場だといい顔してる富豪家族が、いざ立場が逆転すると態度急変して詰め寄ってくるのがリアルで怖い。

深読みすれば移民問題とかアメリカ社会を意識したプロットなんだろうけど、それ以前に話がシンプルに面白いし、伏線がつながっていく様は鮮やか。騙されないように色々考えながら観てたつもりだったけど、普通に騙されました。ハーランが依頼人だとずっと思ってた。
脚本も演出もよかったけど、なによりもキャスティングの勝利。キャラクター人数多くてゴチャゴチャしそうかなと思ってたけど、個性強すぎてすぐ覚えられた。それも全員ハマり役。


特にメインの3人!!

まずダニエル・クレイグ!!
登場シーンから最高。偉そうに足くんで刑事の後ろで不敵に事情聴取聞いてるから、相当な曲者と思いきや物腰は低めで意外と常識人っていうギャップ。ノリノリで音楽聞いてたり、一度推理し始めたら止まらないのもかわいい。大富豪一族の謎を依頼されるってことでプロット的に『ドラゴン・タトゥーの女』とかぶったんだけど、あのときのダニエル・クレイグとは真逆。
訛りの下りもあるので完全に今作のエルキュール・ポアロ。

アナ・デ・アルマス!!
最近一番の推し女優なので、実質主演レベルの扱いだったのは嬉しい誤算。ハイエナだらけの中で人間性が光ってたから可愛さ倍増してた。ダニエル・クレイグとの噛み合わない助手と探偵の絡みが面白かった。
『No time to die』でもこの二人の絡み見れると思うと楽しみ。

クリス・エヴァンス!!
間違いなく最高の配役でした。優等生のキャップとは真逆のドラ息子。本人めちゃくちゃ愛犬家なのに、役だと犬に嫌われてるのもちょっと面白い。でもやっぱりかっこいいんだよね。家族みんなに詰めかけられてるマルタをBMWで助け出すシーンは惚れた。そして騙された!Eat Shit!!

続編の噂あるそうなのでぜひとも作ってください。


"This might be the best thing that has ever happened to you. My mother, ladies and gentlemen."
茸のうち

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