HAYATO

僕たちは希望という名の列車に乗ったのHAYATOのレビュー・感想・評価

4.2
2023年436本目
『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』のラース・クラウメ監督作
東西冷戦下の東ドイツで起きた実話をもとにした青春ドラマ
西ベルリンの映画館でハンガリーの民衆蜂起を伝えるニュース映像を見たテオとクルトは、自由を求めるハンガリー市民に共感し、純粋な哀悼の心から、クラスメイトに呼びかけて黙祷を行うが、ソ連の影響下に置かれた東ドイツでは社会主義国家への反逆とみなされてしまう。
たった2分間黙祷を捧げたことが、学校内の問題に留まらないどころか「国」がそれを許さず、国の権力者がお出ましして執拗に生徒たちを追求していく様子が衝撃的。
家族の弱みにつけ込んだり、将来を脅したり、生徒たちを疑心暗鬼にさせたり、権力者があの手この手を使って首謀者を炙り出そうとする姿は卑劣極まりなく、仲間を密告してエリートの道を進むのか、それとも大学進学を諦めるのか、その後の人生を左右する決断を迫られる生徒たちはあまりに気の毒。
自分たちの意思で自分たちの信念を貫いた生徒たちに感銘を受け、目の前の体制がおかしいと感じたら、反発し、行動する勇気を持ち合わせていたいと思った。
彼らがその後どのような人生を送ったのか、想像せずにはいられなかった。
ネタバレしすぎな邦題はいかがなものかと思う。
Deutsch ist super cool!
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