TOT

カルメン&ロラのTOTのレビュー・感想・評価

カルメン&ロラ(2018年製作の映画)
3.7
‪17歳のカルメンとロラ。
マドリード郊外、家父長制が根強いロマコミュニティで、外で働く夢を持つも、早く結婚しろと言われる2人の出会い。
初恋のときめきと同時に訪れる家族や社会との軋轢が痛ましく、自ら未来を選ぶ彼女たちに揺さぶられる。
‪以下、監督ティーチインでの監督の言葉。
「テーマにした初恋は国を超え全ての人が持ってる経験。2009年にロマのレズビアンカップル誕生を新聞で見たのが製作のきっかけで、記事では写真は背後から撮られ、名前は仮名、結婚式は家族が誰も行かなかったと書いてあった。新聞を切り抜き、今回の物語を考えた」
‬ ‪「役者はほぼ初演技、ロマコミュニティに行ってスカウト。ロマの中で同性愛はタブーなので非難もあった。ロラ役の彼女は美容師が夢だったが初めて飛行機に乗ってカンヌに行き、4分のスタオベを受けて人生が180度変わった。他の映画も決まり別の将来が開けた」
‬ ‪「ロマのコミュニティは何年も男性上位。女性は早く結婚して家庭に入るものとされている。それを象徴するような撮影エピソードがあり、女の子にタバコを吸ってと指示したら、父親に殺されると言われた」
‬また、スペインは同性婚が認められ、ゲイパレードも盛大と聞いたが、映画とのギャップに驚いたという意見に監督が「法律はとても優れていて現実は後からついてくるが、首都でそれが可能でも、地方は慣習が優先されて隠れなくてはならないこともある」と言ってたのも印象的。
‬今回演じた彼女たちは本当に勇敢だったんだなと思う。
ちょっと忘れられない作品になった。‬
TOT

TOT