福福吉吉

完璧な他人の福福吉吉のレビュー・感想・評価

完璧な他人(2018年製作の映画)
4.0
古くからの親友が新居祝いに妻を連れて集まった。陽気なパーティーであったが、自分たちの間に隠し事がないことを証明するため、スマートフォンに届く電話やメールを公開するゲームを始める。次々と届く電話やメッセージで他人に知られたくない情報が明らかになり、パーティーは険悪な雰囲気に包まれるようになった。

「おとなの事情」(2016年イタリア製作)のリメイク作品。リメイク元は観ていません。

どんなに隠し事の無い人でもスマホには予期せぬ情報が流れてくる訳で、なんでも公開するゲームしたら、痛くない腹を探られることも当然、起こりうる。展開は読めてしまうけど、どんな修羅場が待っているのかと興味津々で最後まで観てしまった。

パーティーに集まったメンバーの個性が黒い方向へどんどん発揮されて行って非常に面白かった。奥様仲間の雑談の内容がメンバーに突き刺さったり、知らない男性からの着信に夫が嫉妬したり、とバシバシ心に突き刺さっていきます。結果、口論になって人間関係が崩壊していく様子は、他人事なのでとても面白かった。
それでいてお互いの知らなかった一面を知ってしまったことで、人間関係のより深いところに踏み込み、崩壊した人間関係がリメイクされることもあるのが面白い。

夫婦、友達、親子を問わず、どんなに親しい間柄でも、それぞれ個人という有形・無形の空間を持っているのだから、秘密が無いなんてことはあり得ないと私は思っています。親しき中にも礼儀あり、無礼講だと言って本当に無礼する奴は嫌われます。

私はとても面白かった。秘密は秘密のままにしておこう。
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