ひな鳥ピヨー

象は静かに座っているのひな鳥ピヨーのレビュー・感想・評価

象は静かに座っている(2018年製作の映画)
3.8
約4時間の映画
私は初見で3回に分けて観たからこれ一本でオムニバスな視点のしっかりと丁寧に描かれた1クールのドラマだと思えばいいかも。
あらすじに書かれていることが淡々としっかり描かれていく…開始から息苦しいほど鬱になるクソみたいな日々だけど、終わるころにはまだ下があったのかとヘドのでる世界になっている。

象ならまだ巨体だから暴れたらと畏れられれるかもだけど、小さな人間はただ静かに堪えているのに足掻けばさらに深みに。

いや、誰もが誰かにとっては加害者でまた他の誰かにとっては被害者で、みんな責任転嫁して逆ギレしながら八つ当たりして生きている。
原因を追求していったら行き着くところがあるのかもれしないし、自分に戻ってくるのかもしれない。だけど、どこかの地点で誰かの地点で泣き寝入りして終わらせることが惨めでもそんなものだと思えるならそれもいい。もっと底辺を眺めてむこう側よりはマシだと自分を納得させるのもいい。親友を犠牲にして踏み台にして力を獲たなら少しは人生拓けるの?責任を認めるのは苦しくても、認めればもう逃げずに怯えなくていい

象を見れたからといってなんてことはない、あんなにデカい象だって耐えているという確認?それなら象を見に行くと決めたこの気持ちと聞けた声には意味もあるかも…?


あらすじ読んでから、関係性わかった上でその過程と変化していく様子をじっくり傍観者として見るのがいいのかも。私は前情報なく見始めたから一度目はシンドかった。それでも観終わるともう一度始めから観たくなるし、通して観た二度目はどんなに緻密で良い作品なのかがわかる。
長くても見る価値は十分以上にあったよ