高卒派遣社員

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者の高卒派遣社員のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

3部からなるジュラシック・ワールドシリーズの最終作。前作で野に解き放たれた恐竜たちが人間社会に大きな影響を及ぼし、新進気鋭のバイオ企業は恐竜の保護と遺伝子操作で時代の先を行く。アンダーグラウンドでは違法な恐竜取引が拡大し、武器商人が肉食恐竜を売りさばく。

物語の推進力となるのは誘拐されたラプトルの幼体とクローンの少女の奪還計画。マルタ島でのバイクアクションはジェイソン・ボーンを彷彿とさせ、バイオ企業への潜入はスパイアクションと恐竜モノとしてのスリリングな要素がしっかり盛り込まれていた。いわばエンタメ要素全部のせ。

初期ジュラシックシリーズの"レジェンド"再集結は胸アツだったのだが、現行シリーズの登場人物との兼ね合いで全員の見せ場作ろうとした結果、終盤にかけて大味になっていたのは否めない。これ見よがしの過去作へのオマージュ連発も評価が分かれるところだろう。

とはいえ映画史に残る恐竜映画の大団円を映画館で観られたのはとても良かった。遺伝子工学への警鐘にとどまらず、"恐竜との共生”という開かれたエンディングは今を生きる我々に響くものだと思う。原作者マイケル・クライトンが存命ならこの結末にどんな感想を抱いただろうか。できることなら聞いてみたいものだ。
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