平田一

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者の平田一のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

もしこれがアベンジャーズの二部作(『インフィニティー・ウォー』『エンドゲーム』)みたいな構成だったら、これより更に、もっと話に深みが増したと思うなぁ。

『ジュラシック・パーク』から『ジュラシック・ワールド』と二つのシリーズが交錯する最新作で最終章(あくまで現時点)。オリジナルキャスト陣(『ジュラシック・パーク』勢)が復帰を果たしただけでなく、これまでのキャスト陣も大半が再登場(ローリー役のジェイク・ジョンソンはスケジュールが確保できず)、一作目でチラッと出てきたルイス・ドジソン再登場で、シリーズのあらゆる要素がとにかくバンバン出てきます!

簡単なあらすじは、

前作『炎の王国』で恐竜たちが全世界に放たれてしまったことで、価値観が大きく変貌してしまった今の世界。オーウェンはクレアと共にメイシーと暮らしていたが、ブルーの子供とメイシーが何者かに誘拐される。一方、グラント博士のもとに元恋人サトラー博士が、奇妙なイナゴに関する調査の協力を求めに来て…

二つの事件を結びつけるバイオジン社が抱える秘密、それは地球の生態系をも滅ぼしかねない危機だった…

賛否両論だって聞いて、見るか見ないか迷ってました。けれどカードのポイントが無料で見られる量だったので、ようやく今日あまり情報入れずに映画を見てきました。

結論から言ってしまうと、想像以上の出来でした!

世界規模で展開していく二つのドラマの運ばせ方や、過去作のリスペクトとアップデートに溢れるパート、新旧のキャラクターが交錯する高揚感。監督のやりたいことが次々と分かってくるし、コロナ禍に置き換えられるシチュエーションもスゴかった。延期してでも劇場公開にこだわった訳というか、映画館で見せたかった理由が非常に納得です。娯楽映画なんだけど、“今”に向けていますから。

しかも何気にサスペンスの持続力が過去最高。絶対に大丈夫なはずのオーウェンたちといったメインキャラに襲いかかる試練や追手、シチュエーションが、まさか命を落とすのか?って心配するほど非常に怖く、特にラプトル追跡パートはボーンシリーズ級でした。多分意識もしたんでしょうが『ボーン・アルティメイタム』でのボーンとデッシュの追跡戦が頭をよぎったほどですし、あのシーンはシリーズ史上ベストの迫力でしたね(IMAXでこれを見てたらさらにスゴかったと想像)。

ただ最初に書いたように、一本で収めるにはボリュームがありすぎる。所々ではしょったような段落も見受けられて、これだったら二部作に分けた方が嬉しかった。そうしたらイナゴの理由ももっと納得出来たと思う。

ところで話題のイナゴだけど、シャマランの『ハプニング』を見ていたせいか分かる気も…アレはミツバチの失踪でケースは違うのかもしれないけど、どちらも生態系に及ぼす影響力が関わっていて、その意味でもイナゴの描写は結構重要だと思う。(ローランド・)エメリッヒも『インデペンデンス・デイ』でイナゴを扱ってたし(例えの一つとして)、このあたりにクリエイターの意地や覚悟を感じます。

まとめると、賛否が分かれているのも納得なんですが、ボクは非常に大好きですし、タイムリーすらありました。トレボロウ監督が言っていた「完全版」も見たいですし、Blu-rayも欲しいなぁ。

それぐらいに大好きです!
平田一

平田一