あさ

ウエスト・サイド・ストーリーのあさのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

I'm the one who chose to see Romeo and Juliet, but can't stop thinking how to end this story as happy ending.

星5付けちゃっていいの?ではあるけど、こんなに映画に飲まれて感動したって思っちゃったから許して。ヴァレンティーナ役のリタ・モレノが製作総指揮でもあって、エンドロールで気づいて尚の感動。スピルバーグ映画であり、脚本はトニー・クシュナーだし、もう最強が作った映画なのは分かるけど。新しく撮られているのに、全盛期のハリウッド映画を呼び起こすかのような映像に終始酔いしれてしまう。そして、『ジョジョ・ラビット』以来の最前列しか空いてない現象。洋画に人入らない近所の劇場でも、こんなに人がいるのはタイトルや監督の力もあるかもだけど、嬉しい。

指パッチンのあのシーンから涙がズブズブだったのだが、終始光と影の使い方、魅せ方、全部抜かりがない。製作側の本気ばかり見てしまう訳だけど、私はとても好きだった…。トニーがマリアの自宅前で歌うシーンとか、足元の水溜まりの反射とかあざとい位だけど堪らなく目を奪われる。アンセルの歌声も素晴らしく、あと貴方本当に綺麗な唇をしているわ。

1961年版を見たのは少し前で記憶が定かでなく、細かく比較は出来なくてもう一度見返すのもありなのだが、ドクが妻のヴァレンティーナになっていたりと、変化はありつつ。しかし初っ端から前述したように、時代の温存感というか。悪い例として挙げて良いのかだが『シンデレラ』リメイクのような時代詰めすぎて味がわからなくなるような物とは真逆で、ああ…ってなった語彙死亡。

それと過去のレビュー見て思ったけど、シャークの紅一点(と言うのももう違うのだけど)、buddy boyエニィがアニータが店に来る場面での態度。あくまで「逃げな」と先の展開を忠告して去っていくのは時代に合わせた良い変化だった。

何が起こるのか分かりながら見るのもかなり苦痛なウエストサイドだけど、今こうして見て受け取るメッセージ性の強さたるや。私たちはもう半分、歩んできていると言うような歌詞があったけれど、何十年も前に描かれたソンドハイムの歌詞に(この曲は新規だった?)「歩み続けてるはずなんだけどなあ」と思わざるを得ない2022年。それでも文化から学ぶことはあり、この作品を観れたことに感謝したい位の気持ちでいる今。あとすごいミュージカル見たくなった。舞台演出とはまた違う方法で、最大限作品の魅力を映画として描いていたように感じられたので、もうね…。

描ききれてないくらいだけど、一旦ここまで。
あさ

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