個人的には大満足の ウエスト・サイド・ストーリー を
冷静に考え直してみる…
https://youtu.be/iGQ6x6B22lQ
名作の一つでもある「ウエスト・サイド・ストーリー」は現代の社会とは 比べて 随分昔の物語になっているので 今の人が見た時のジェネレーションギャップは感じざるを得ない部分はあるのかもしれない
超アナログ的な撮影しかできないミュージカル映画を今更ながら作ること自体が難しい昨今見事に作り上げている映画。
ミュージカルシーンは 素晴らしいの一言で これだけの人を集め 練習をしスケジュールを拘束し撮影に挑んだという
物語
再開発が進む街の中。
街の中にはジェッツ団とプエルトリコ系のシャーク団の2つのギャングが縄張り争いをしていた。
そのジェッツ団の元メンバーのトニーは障害で刑務所に入っていたがいまはドック(リタ・モレノ)の店で働いている。
そんな中、街の交流会で、マリアと出会いお互いが一目惚れする。しかしトニーはジェッツ団の元メンバーで現行メンバーとも交友があり、マリアはシャーク団の団長の妹だった…
2人の恋はどうなってしまうのか?
映画のシナリオそのものは、1961年に公開された作品をほぼそのままの展開なので、過去作を知っている人からすれば、完全にそのままなぞっているのがわかるはず。
ただ、過去作では、ポーランド系アメリカ人少年で構成されているジェット団とプエルトリコ系アメリカ人のシャーク団になっていたのに対して、今回はポーランド系は明確にするのではなく古い移民グループの若者で構成されたジェッツ団とプエルトリコからの新たな移民グループのシャーク団とすることで、アメリカが抱える移民問題を示唆させているようにも見える。
また再開発により自分たちの居場所がなくなる者同士が縄張り争いをするということから、争いそのものが無意味であることを表すなど、対立からは何も生まれないということもスピルバーグは言いたかったのかもしれない。
有名俳優を基本的に使わずヒロインには全くの新人を起用するなど冒険的な部分はあるものの 非常に完成度は高い
また、ミュージカル映画ではあるもののミュージカルシーンは「イン・ザ・ハイツ」などに比べると若干抑えめ気味で シナリオがわかりやすくなっている。
いずれにしても、映画のベースシナリオは「ロミオとジュリエット」の物語になっているので、それを 普遍的物語 ととるか、 古典作品 と捉えるかで印象は変わってくるかもしれない。
1961年の作品と比べると突出して素晴らしいところはないが、リスペクトとともに名作をリメイクすることで次世代に残すというポジションにとして見ると良いのかもしれない
ちなみに、プエルトリコ系のお母さん的ポジションのヴァレンティナ役のリタ・モレノは、60年前の「ウエスト・サイド・ストーリー」ではアニータ役で出演してたというのは旧作ファンからすれば嬉しい限りではないだろうか?