Frengers

ウエスト・サイド・ストーリーのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

@IMAXレーザー
境界線と光についての映画。壁や扉、柵により引かれた線を乗り越えて人が集っていく。祝福の象徴だったはずの七色の光のもとに、人種、愛憎、生死、性別すらも1つになっていく。赤いバラやパトランプから青へ。かつて人種を乗り越えて結ばれた男女のモノクロ写真を機に色が落ちていく画面、小道具や鏡の反復もたまらなかった。ベットの装飾越しのヒロインや破られた鉄格子越しの国旗の反復はビビらされた。そしてマンボのシーンが余りにも凄かった。縦横無尽の人とカメラ、その間を視線を交わす男女が通りすぎるだけ。このシークエンスだけでも映画館に見にきたかいがあった。
「リンカーン」から「ペンタゴンペーパーズ」までの古典的な演出が本作に見事に結実しているのも驚きながら、さらに照明におけるバリエーションと設計への挑戦には脱帽するしかない。
アリアナ・デボーズが素晴らしかった。正面から表情の変化を唯一画面におさめた俳優でもありながら、アクションシーンも白眉。アカデミー賞で助演にノミネートされるのも納得だった。
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