順慶

ウエスト・サイド・ストーリーの順慶のレビュー・感想・評価

4.3
せっかくなのでDolby cinemaで鑑賞。前の方のF列。この臨場感を体験したくて映画館に足を運ぶ。

希望に満ちた施設のイラストから始まる。イラストが貼られているフェンスの向こうは工事現場。カメラは上空から解体されている建物を見せ、ぶら下がっている鉄球から地面によって地下からのペンキ缶。最初のカットで気分が上がる。

時代は変わらず1950年代のニューヨーク。移民が多く住む街。アメリカ人とプエルトリコ人の対立。いわゆる縄張り争いで、やんちゃな若者の抗争と恋。
しかし、否が応でもこの街は変わろうとしていることは、最初のカットでわかる。

アメリカ人のジェッツとプエルトリコのシャーク。混じり合えないグループで、トニーとマリアの恋。わかりやすくて、知っているストーリーなのに緊張感が続いた。

歌とダンスはとてもいい。「アメリカ」は特にいい。シチュエーションを変えて繰り返される「トゥナイト」もやっぱりいい。

色合いも古くて、古い映像を見ている感じもあり、クラシックの風格。いまから思うとベタに感じる展開だけど、古典を楽しんでいる感覚なので、しっかり感動する悲劇だった。

ニューヨークの移民の物語は「インザハイツ」につながるなかと考えると立体的になっておもしろい。
順慶

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