なちゅん

ウエスト・サイド・ストーリーのなちゅんのレビュー・感想・評価

3.8
実は舞台も前作も見ていないので、これがWEST SIDE STORYの完全な初見なのだけど…こんなに救いのないストーリーだったなんて。なるほど20世紀のロミオ&ジュリエット。

体育館でのダンスパーティーが好戦的だけど平和で、華やかで溌剌として、本当に綺麗だった。ずっとあの時間が続けばよかったのにね。あの場にアントンがいなければこの悲劇はなかったけれど、あの場にアントンがいなければ、あの美しい恋も生まれなかったわけで。
悲劇と言えば、アニタは1番輝いてたのに、1番悲劇に見舞われたひと。途中まであんなこと言うはずじゃなかったのに、ジェッツの面々が総じてバカだったからさあ…あの瞬間もう一回運命が転がったって気がする。

時代背景も設定も違うから比較するのはお門違いではあるのだけど、この間観たイン・ザ・ハイツではヒスパニック系の祖国に対する誇りがプラスなイメージで描かれていたのに、こちらではまるで逆。煩わしくて、これさえなければと思ってしまう。
ストーリーひとつでこんなに違うのだから、人種差別なんてなくならないよね。

リフに幸せになってほしかったな。
なちゅん

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