独裁者の支配と暴力、暗躍する名も残らぬ存在、大衆の非存在性、世の摂理と欺瞞と本質を突くそのテーマや視点は訴えかける内容としてとても良い。世の真実をまざまざと浮き彫りにしておきながら軽い善悪二元論的視点で描くのは、人々がある意味では世界を善悪二元論でしか見ていない、という皮肉もあるのかな、とか考えてしまふ。
まあ結局途中からは難しい思考を放棄して素直に破壊と殺戮に見惚れているのみになりましたがね。
使用火薬量6万Lってすんばらしぃ。
美しい自然、煌めく都市や建物、荘厳な芸術品達に囲まれてぶちかます究極アクション。規模が半端じゃないレベルでひたすら車や建物が爆発しているし人が死んでいる、それも一々スタイリッシュに。各シーンの細部に宿るアーティスティックな拘りが、アクション映画というよりはもはやアート映画の類だなと。
残念だったのは作品の要であるキャラクター達。それぞれ異なる才能を持つという設定が映えていない。軍人とスカイウォーカーの二人は人柄や技術面も生き生き描写されていたが、その他の人物に関しては今一不十分さ有り。特に主演の富豪、テクノロジーの部分ばかりが主張しキャラクター性に全く魅力を感じない。
