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『教科書にないッ!』に投稿された感想・評価

教師も生徒も通学路なのに何故か高架下の辺鄙な公園を歩いていたり、終盤で急に湖畔のロッジへと向かってしまったり、その後のアクションから逆算した出鱈目なロケーション選びが楽しい。屋上での長回しから盗撮少年へのズームイン、ジャンケンポンから現れる四本腕。意表を突くアイデアの数々にデビュー作への強い意気込みを感じる。性暴力をギャグと割り切っているところは解せぬが、昔のエロコメではこんなんザラにあるしまあ...。どうでもいいけど、まさか青山真治の映画でピンクパイナップル(老舗アダルトアニメ会社)の唇ロゴを目にするとは思わなかった。間違って『淫獣エイリアン』でも再生したのかと一瞬動揺した。
青山真治がデビュー作で一番最初にカメラを向けた俳優が斉藤陽一郎だったという事実にまず感動してしまう。この頃から長回しの持続の中でシーンを跨いでしまう活劇性を兼ね備えており大胆不敵と言わざるを得ない。原作の持つコミカルさを映画に翻訳し、手堅く笑いを誘いつつ、デビュー作の特権として、然し慎重に嫌らしさを回避した形で小津やゴダールへの目配せを取り込む。
だが、何より見ていて意表をつかれたのは学校の廊下の窓から屋上を見上げた主人公の熱血教師を捉えた次のカットで屋上にいるヒロインと斉藤陽一郎らを見せるのだが、彼らの最初の立ち位置は明らかに先の教師の視線からは外れており、そこから屋上を移動して漸く廊下にいる教師との位置関係が一致するという、繋ぎ間違えを犯しているシークエンスだ。普通ならただの下手な編集とも思えるが、この意表をついた繋ぎ間違えが寧ろ全体を通して主人公の教師が特権的に持つ視野の広さの潜在能力を感じさせるという巧妙な仕掛けとなっている点が、芝居とカット割のなす見事な映画演出で憎い。
3.6
アジ文ポスターが随所に貼られた廊下やセックス指導教科書からしてゴダール的画面への志向は青山真治の意向か。活劇のためだけに湖畔に行く終盤は確実にオリジナルだろう。長回しが3回ほどあるが、大森嘉之が視線を向けるアクションから視線つなぎを無視して始まる屋上での長回しはパンや人物のフォローはもちろんズームイン/アウトを駆使し校舎という空間を存分に活用する野心的なもの。

ジャンケンのアクションつなぎから斎藤陽一郎の後頭部強打への画面連鎖。腕を振り下ろす動作は拳銃入りのケースの投擲から拳銃を抜いた瞬間のケース投げ捨ておよび銃弾を防いだポケベルポイ捨てへと派生していく。

時=空間を無視して銃弾が飛来するペキンパー的な編集は『我が胸に凶器あり』でもあったがデビュー作からすでに試みられていたよう。

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