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スノー・ロワイヤルのトレバーのレビュー・感想・評価

スノー・ロワイヤル(2019年製作の映画)
5.0
やったー!

舐めてた相手が殺人マシーンでしたごめんなさい
映画をタランティーノが撮ったらこうなる、
という前評判を聞いて、もしそれが本当だとしたら
それって最高過ぎるやーつ!!!と、緩む顔を
引き締めながらトライしたら、、、、。

まんまとその通りな映画でした!顔緩みっぱなし。
本当にありがとうございます。

コロラドの、常に道を整備しなければならない
白銀の広がる町で除雪車を走らせる、
模範市民賞をもらうほどの真面目に働く男、
コックスマン。
日本語にしたら、ちんこ男。ひどい。
彼の一人息子が、ヘロイン過剰摂取で死んでいたのを発見される。
息子も、真面目な男だった。ドラッグはやらない。

観光で収入を得ている雪に覆われた静かな街は
裏で麻薬王が支配していた。
謎の死を遂げた息子の復讐を着々と遂げていく
コックスマンと、先住民族の犯罪組織、
表向き静かな街に事件が起こらないか待ち望む
困った女性警官と事なかれ主義ベテラン警官コンビ、
事態は四つ巴で拗れていく、、、。

なーんてまじめに大体のあらすじを書くのも
はばかられるオフビートで、シュールで、ブラックな
クライムコメディでした!

登場人物がいちいちふた捻りくらいされてて
相当面白い。 ホント、イイキャラだらけ。
なんて事ないグダグダ会話劇で笑わせる所もタランティーノを彷彿とさせます。
人があっさりバンバン死ぬのもまるでタラちゃんです〜。

ノルウェーでの作品の、ハリウッドでの
セルフリメイク作になる本作。
(「ファイティング・ダディ」という邦題で、
Amazonプライムで観られます。未見)
舞台が変更された事によりアメリカ先住民族の
「ウインド・リバー」でも語られていた
居住区以外で職を得られない故にドラッグディーラーになるという社会問題も盛り込まれていますが
それですらブラック過ぎる笑いに持っていく、
かなり悪ノリが過ぎる小ネタが満載。
もはやコックスマンさんの復讐はなかばどうでもよくなりかける混沌へ突き進みます。

そこらへん、スカッと復讐B級アクションを
期待されていた方にはダメだったというレビューも
ちらほら目にしますが、ドンマイ!

タランティーノ作品で笑える方で、リーアムダディの
いつもの濡れた大型犬が泣きそうな顔を見たい方ならば間違いなく楽しめます。

大好きです、これ。
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