WillowMarrais

私、オルガ・ヘプナロヴァーのWillowMarraisのレビュー・感想・評価

4.4
社会に絶望した時にやってくる何か
(それは自分が悪と言い切っていいのかは分からないが)は病理からなのか、ありふれた日常の退屈からなのか。


この作品が問うてくる善悪の彼岸はあまりに冷徹。
法は機能したとしても、「殺し」は何をもって一人の人間の中で正当化(もしくは表出)されるのかは断定できない。
究極的なテーマに対して、オルガは倫理の境界を行き来する。

ブレッソンのような雰囲気をもっている一方で
オルガは禁欲的ではなく、一人の人間の限界ともいうべき行動とデカダンスが振り撒かれる。
「殺し」でしか事態を動かせないと考えた人間の中にあるものは、当然、法を超えていく。
それをどう捉えるかという映画。


オルガのおぼつかなさに説得力あった。
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