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テッド・バンディのseiのネタバレレビュー・内容・結末

テッド・バンディ(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

生い立ちや犯行に至るまで、殺人シーンを詳細に描くのではなく、逮捕されてから裁判で判決が出るまでをテッドの視点ではなくテッドの恋人の視点から描いた作品。テッドバンディは私がトゥルークライムというジャンルに興味を抱くきっかけになった人物の一人であり、この男を知ることで「サイコパス」「シリアルキラー」という言葉を覚えました。猟奇殺人を犯す人間の心や脳の構造が知りたいと思うようになったのも、テッドバンディがきっかけでした。

この作品ではテッドバンディの本心や犯行の動機など彼の心の奥底にある感情というものは一切見えてこない。その代わりにテッドバンディという人間が世間にどう見られていたかがわかりやすく描かれている。ルックスが良く、口が上手く、自信に満ち溢れていて人を殺したと思えないような堂々とした態度でベラベラと饒舌に喋る姿は、ただの色男にしか見えないのがほんとに怖い。

映画化するにあたって脚色されたのかと思った台詞は、最後に流れる当時の実際の映像と同じなのが恐ろしかった。あまりにも自信に満ちあふれた振る舞いに、テッドは本当に自分が無罪だと心から思い込んでいた可能性を感じます。裁判中は一貫して無罪を主張し続け被害者に対する言葉はゼロ。犯行内容はあまりにも非道。被害者のことを人間として扱っていない。物証が少なく立証された事件もほんの数件で、自白がなければ完全犯罪が成立してた余罪の多さに改めて戦慄しました。

テッドバンディという人間を知るには物足りないけど、彼の事件が世間でどういう扱いをされたのかと裁判での彼の様子を知るには良かったです。

ちなみにこれらの特徴は松永太にもまんま当てはまりますね、、、
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