こまち

ビーチ・バム まじめに不真面目のこまちのレビュー・感想・評価

4.6
詩人のムーンドッグはアルコールとドラッグと女に明け暮れている。
でも、彼の持ち前の魅力と彼が紡ぐ言葉に翻弄されてしまう憎めない存在。

絵的にも美しいシーンばかりで、映画全体でこのムーンドッグのfunを求めるエネルギーに満ちていた。
ちょっとグロいシーンがあったくらいで、ネガティブなイメージがほとんどなかったところもムーンドッグの生き様らしい。

友人のランジェリーが自分の奥さんとキスしてるところをまじまじと見つめている時とか、とんでもないアホ面だったりつられてしまう笑い方だったり笑いどころがいっぱいあった。
そして、スヌープドッグが口を開けば全部ラップに聞こえる不思議。


こういうボヘミアンな好き勝手な生き方をしてても詩で売れるって偉い話だなぁとも思ってしまうけど、こういう天才肌の人って実際いるし、そもそも放蕩人生もかなりの覚悟と才能がないとうまくいかないんだろう。

こういう生き方ができるから凡人には作れない魅力的な作品を生み出したりするんよね、、逆に私みたいな凡人が、私も世捨て人になって良い作品作ってやる!ってやってみても絶対作れない。本当にただのどうしようもない世捨て人になるだけ。


詩を作ったり日々インスピレーションを受けて創作する才能はもちろんのこと、内から滲み出る本気で人生を楽しんでいるっていう人間味の面白さとか人を巻き込む力あってのムーンドッグの生き方。

どんだけお金があろうが名声を得ようが、そんなものに全く囚われず自由気ままにロウに暮らす姿がむしろ足が地に着いているというか、首尾一貫筋の通ったスタイルでかっこよかった。

正直この映画を見て何を真剣に考えてるねんって我に返ってしまうけど、、


マシューマコノヒーの演技力は言わずもがな…the cureの曲も印象的だった。
こまち

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