名波ジャパン10

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンの名波ジャパン10のレビュー・感想・評価

4.2
今年のアカデミー賞の複数部門での受賞は確実でしょうが、作品賞には届かないであろう作品。マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオの名コンビにロバート・デ・ニーロが加わったゴールデントリオは強力。テーマも実際の事件をモチーフとした先住民族の迫害ストーリーとくれば、ガチガチのアカデミー賞候補作品です。ただ、オイルマネーに翻弄された先住民族の悲劇とするには、描かれた殺人事件が相続対象の家族の連続殺人というほぼ「犬神家の一族」の世界にスケールダウンしているのは、作品賞対象作品としては致命的でしょう。冒頭の薪のはぜる音、エンディングの雨音、蚊の羽音など細かい音にこだわった音響、フィナーレのお洒落な演出などさすがスコセッシ監督作品。3時間半の長尺ながらダレることなく見応え十分の重厚な作品です。